イヌリンの飲み方
イヌリンという成分がとても注目されています。
イヌリンとは水溶性食物繊維で、口から摂取しても体内に吸収されることなく腸に届き、腸をきれいにしてくれる働きがあります。
体内に吸収されることがありませんからダイエット目的として人気があるだけではなく、便秘の解消や中性脂肪の抑制、血糖値上昇の抑制の効果が期待できます。そのため多くの人に注目されているのです。
イヌリンは菊芋やニンニク、玉ねぎなどに多く含まれている成分ですが、中には野菜を食べることが苦手な人もおられると思います。イヌリンが体にいいとしても、どうしても食べることができないという方も少なくないでしょう。
そのような方に人気の摂り方として、イヌリンを飲む方が増えています。
イヌリンを飲むとはどういうことなのでしょうか。イヌリンの配合された飲み物はあるのでしょうか。
イヌリンのおススメの飲み方についてお伝えしていきたいと思います。
Contents
イヌリンは飲めるの?
イヌリンは水溶性食物繊維だから飲みやすい
イヌリンは水溶性食物繊維です。食物繊維というネーミングは皆さんにとっても馴染みのある言葉だと思いますが、「水溶性」というとよくわからない方もおられると思います。
そもそも食物繊維とは、私たちの体内にある消化酵素で消化されない成分のことをいいます。一般的に食物繊維は、「腸の中をきれいにする」イメージがとても強いと思いますが、これは体内に吸収されず消化されずに腸にまで届き、繊維質で腸の中を掃除する作用があるからなのです。
食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。食物繊維としての役割としては同じですが、水溶性食物繊維は体の中で水分を吸収し、ドロドロとしたゲル状になるのが特徴です。不溶性食物繊維にはこのような作用はありません。
体内ではゲル状となりますから、胃から腸にかけてゆっくりと移動することになります。少ない量であるとしてもお腹の満腹感を得られることもできます。
水に溶けやすいという特徴から、お茶として飲むこともできますし、スープやカレーなど水分が多い食品とも相性が良いのが特徴です。味にクセもありませんから、好き嫌いの多い人でも召しあがっておられます。
イヌリンは低カロリー
イヌリンは水溶性食物繊維で、体内に吸収されることなく腸の中に届き排出されていきますから、カロリーはほとんどありません。ダイエット目的でイヌリンを摂取する人からは、 とても話題になっています。
またイヌリン自体がカロリーが低いだけではなく、イヌリンが腸の中で余分な糖分を排出させる作用があります。そのために、イヌリンと一緒に食事などを取った場合においても、糖分を排出させますから、血糖値の上昇を抑制することができるのです。
そもそもイヌリンは多糖類ですから、ほんのり甘みがあり、海外では糖尿病患者などに提供するジャムとして利用されています。甘味があるのにも関わらず、カロリーがほとんどありませんから、ダイエットをしたい人だけではなく、医学会も注目しているのです。
イヌリンとフラクトオリゴ糖
イヌリンとフラクトオリゴ糖を比較されることがしばしばあります。これはなぜかといいますと、フラクトオリゴ糖はイヌリンと同じような作用があるからです。
フラクトオリゴ糖は、自然の野菜や果物に多く含まれており、砂糖のような甘さを持っているにもかかわらず、カロリーは砂糖の約半分と知られています。
イヌリンかフラクトオリゴ糖、どちらを摂取するか悩んでおられる方も少なくないと思います。しかしここではイヌリンをおススメしたいと思います。
作用としては腸内環境を改善し、腸の善玉菌を活性化させる働きがありますので、同じような効果を得られることになります。
イヌリンの利点は、やはり水溶性食物繊維ということです。胃や腸の中でゲル状になって、ゆっくりと消化器官を通過していき、その中で余分な糖分を排出させたり、中性脂肪を排出させたりといった作用を発揮します。
総合的に見た場合であると、イヌリンの摂取をおススメします。
イヌリンをどのように飲めばいいか
イヌリンパウダーを活用する
イヌリンを飲んでおられる方の多くは、イヌリンパウダーを活用しています。イヌリンパウダーとは、イヌリンを多く含んでいる菊芋などをパウダーにしているものです。
イヌリンパウダーは全く癖のない粉ですから、普段ご自身が飲んでいる飲み物や、味噌汁、スープなどに入れて飲んだり食べたりすることができます。 特に調理が難しいということもありません。混ぜるだけです。
イヌリンパウダーをどのように入手するかというと、大きく分けて二種類あります。
一つはイヌリンを多く含んでいる菊芋スライスして乾燥させ、ミルミキサーにかけて粉にしてしまうというもの。長期保存が可能になります。
もう一つは、イヌリンパウダーとして発売されているものを購入する方法です。
ご自身でイヌリンパウダーを作る場合は、パウダーだけではなく調理などに使うことができますので、料理としてもイヌリンを楽しみたい人であれば、 生の菊芋を購入してチャレンジしてみると良いでしょう。
菊芋をスライスして数日間乾燥させ、ミルミキサーにかけるだけですのでとても簡単です。
またインターネットにおいては、産地で採れた菊芋から作ったイヌリンパウダーをたくさん販売されています。無農薬のものも多くありますので、品質の良いものを選んで購入すると良いでしょう。
菊芋茶
菊芋の産地であれば、菊芋を活用した郷土料理がたくさんあるのですが、菊芋をお茶にして飲んでおられる産地も多く見かけます。
菊芋茶は一般的にあまり馴染みのないお茶ですが、産地では親しまれています。インターネット通販においては、 健康茶としてとても人気のある商品となっています。
イヌリンが多く含まれていますので、食事と一緒にこのお茶を飲むことで、腸内の糖分を排出させたり、中性脂肪を抑制したりといった効果が期待できます。そのため普段のお茶を菊芋茶に変えている方も少なくありません。
実際に飲んでいる人の口コミを見ると、「腸の動きが活発になった」「おならがよくでるようになった」などと、腸の活性化に対する口コミがとても多いことが分かります。これが水溶性食物繊維の作用だと感じることができる口コミです。
味については後味もスッキリで、苦味渋味はありません。色は普通の麦茶のような色で、菊芋の風味を楽しむことができます。お茶として飲むだけですから、ぜひ試していただきたいと思います。
コンビニで買えるイヌリン配合の飲み物
わざわざどこかまで買いに行ったり、インターネット通販で購入したりするのは面倒だという人もおられるでしょう。最近はコンビニでもイヌリン配合の飲み物が販売されています。
サントリーから発売されているウーロン茶で「流々茶(るるちゃ)」と呼ばれる商品があります。2018年4月に販売開始された商品で、ペットボトルのパッケージには「おいしい腸活」と記載されています。
この流々茶は、機能性表示食品で、腸の動きを活発にする成分であるイヌリンが含まれており、お腹の調子をスッキリ整えたい方に適した飲料であると発表されています。
ペットボトル一本に7.3gのイヌリンが含まれています。菊芋には100gあたり、約18g~20g程度のイヌリンが含まれていますから、菊芋を40g程度摂取したのと同じくらいのイヌリンを摂取することができるのです。
これからもイヌリン配合のドリンクは増えてくると思いますから、注目しておきましょう。
イヌリンの効果的な飲み方
イヌリンを飲んで期待できる効果は
イヌリンを飲むだけでも様々な効果を期待することができます。 イヌリンは、腸内に定着している細菌に対して良い影響を与えるプレバイオティクスの一つで、腸内環境を改善します。
腸内環境の改善は、便秘の予防だけではなく、健康に対する影響も大きく、老化に対しても影響を与えるとまでいわれています。
イヌリンを飲み物として飲んだだけであっても、水溶性食物繊維として体内での作用は変わりません。腸内に届いた際には水分を吸収しながらドロドロとしたゲル状に変化し、腸の中にある余分な食物を取り込みながらゆっくりと移動します。
食物繊維は、腸内において善玉菌のエサになるといわれています。善玉菌のエサになると、善玉菌が増え、腸の動きが活発化します。同時に悪玉菌が減っていき、腸内環境が整うことで代謝にも大きな影響を与えるといわれます。
腸内では、余分な糖分や中性脂肪などを排出させます。 代謝が促進すると、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの吸収を促進させるために、細胞を正常に働かせ、内臓を守る働きにも繋がっていくのです。
もちろんイヌリンは薬ではありませんので、飲んだからといってすぐに何らかの効果があるわけではありませんが、普段飲むお茶をイヌリン配合のものにするだけで、少しずつ身体に良い影響があるのです。
イヌリンを飲むタイミング
何度も述べている通り、イヌリンは水溶性食物繊維で腸の中を綺麗に整えることができますので、特に食事と一緒に飲むことによって、大きな作用をもたらしてくれるものだといえます。
食事で摂取した余分な糖分や脂肪分を、腸内で吸収しながら排出させますので、血糖値の上昇や中性脂肪の上昇を抑えることができるのです。食事の前後や食事中であれば、腸内の調子を整えてくれます。
ただしタイミングを意識しすぎることはありません。
厚生労働省のデータを見ると、私たち日本人は食物繊維の摂取量が全然足りていない状況が分かります。
厚生労働省が進める1日あたりの食物繊維の目安量は、30代から40代の男性で26g、女性で20g、50代から60代の男性で24g、女性で19gとなっています。しかし近年では平均摂取量が14g前後であるのが現状です。
普段のお茶をイヌリンの配合のものに変えてしまうだけで、1日10g以上の食物繊維を摂取することができます。お茶を飲む量が多い人であれば、さらに多くの食物繊維を摂取することができるのです。
タイミングを意識することなく、継続して摂取できる方法を考えてみると良いでしょう。
アレルギーや副作用の注意点
基本的にイヌリンは菊芋や玉ねぎ、ごぼうなどに含まれる食物繊維で、天然由来、自然のものですから、適量を摂るのであれば全く問題なく摂取することができます。
ただし先ほどから述べている通り、イヌリンには腸内を活性する働きがありますので、摂りすぎてしまうことでお腹の調子が悪くなったり、下痢を起こしてしまったりということがあります。
便秘気味の人であれば、すぐにこのような症状が起こることは考えにくいですが、もともとお腹の調子が敏感な人であれば、すぐにこのような状態になってしまうこともあります。
また腸の動きが活性化することで、いつも以上におならが出るということもあります。
しかしこれらのことはいつまでも続くことではなく、一時的なものですからそれほど心配する必要はありません。気になる人は最初は少量からスタートしてもいいでしょう。
イヌリンは腸内において水分を吸収しながらゆっくりと移動しますので、お腹が張った感じが気になる方もおられます。これもイヌリンの一時的な作用ですから、 気になるようでしたら水分を多めに摂ることがいいでしょう。
まとめ
イヌリンの飲み方についてお伝えしてきました。
イヌリンは水溶性食物繊維で、腸の動きを活発化させる作用があります。 体内に吸収しないために、ダイエットが気になる人にもおすすめできる成分です。
野菜嫌いの人であっても、最近はイヌリン配合のお茶や色々な飲み物や食べ物に混ぜることができるパウダーも販売されていますので、うまく活用するといいでしょう。