血流を良くする方法

「なんとなく体がだるい」
「手足が冷える」
「肩こりなど体がこっている」
…などといった症状で悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
こうした症状の原因の一つに、ドロドロ血液、つまり体内の血流が悪いということが考えられます。
血流を良くするためには、まずは基本的なことが大切です。
- 規則正しい生活を送る
- 良質な睡眠をとる
- 栄養バランスのとれた食事
- ストレスを溜めない
- 体を冷やさない
- 適度な運動習慣
規則正しい生活を送ることは健康の基本ではありますが、なかなかできていないという方も多いのではないでしょうか。
では、規則正しい生活については心がけるとして、ほかになにか具体的にからだの血流を良くする方法にはどのような方法があるでしょうか?
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体内の血流が悪いと出る症状
血液には全身に酸素や栄養を運搬する役割のほか、二酸化炭素や老廃物を運び出す役割もあります。そのため、体内の血流が悪いまま放置していますと、
- 中性脂肪の増加
- 悪玉コレステロールの増加
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
などといった症状を引き起こす可能性があります。
心筋梗塞や脳梗塞は血管内の血液に塊ができ、血流がストップしてしまう「血栓症」が引き起こすものです。この血栓症を誘発するのが、血液ドロドロ。
現在日本人の死因1位はがんで28.5%ですが、ついで2位は心筋梗塞などの心疾患で15.1%、3位は肺炎で9.1%、4位は脳梗塞など脳血管疾患で8.4%です。
つまり日本人の四人に一人程度は血管が血栓でつまることによって死亡していることになります。(※平成28年厚生労働省 人口動態統計)
また、脳の血流を良くすることは、脳に必要な酸素や栄養素をしっかりと届けることとなり、脳の活性化にも繋がります。
血液サラサラな状態にして血流を良くすることは非常に大切なことなのです。
血の巡りを良くする食べ物を積極的に食べる
血流をを良くするためには、野菜や果物、青魚、大豆製品、海藻、ナッツ類、など血の巡りを良くする食べ物を栄養バランスよく食べ、糖分や脂肪の摂りすぎに注意しましょう。
一般的に血液をサラサラにするとされる栄養成分には以下のようなものがあります。
DHA・EPA
「EPA(エイコサペンタエン酸)」、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」は青魚に多く含まれる成分で、中性脂肪を下げる働きがあります。
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼは納豆の発酵過程において納豆菌が生産する酵素のことです。このナットウキナーゼには血栓の主成分であるフィブリンに直接働きかけて分解するという作用があります。
大豆製品
大豆には、以下のような血の巡りを良くするために有効な成分が豊富に含まれています。
大豆サポニン | 強い抗酸化作用を持ち、脂質の代謝促進で肥満を防ぐ働き |
イソフラボン | 血管内皮細胞に作用してNO(一酸化窒素)を作り、血管を拡張させ、柔軟性を改善、血管の詰まりを予防 |
グリシニン | コレステロールや中性脂肪を下げる働き |
レシチン | コレステロールを乳化して分解、動脈硬化予防の効果 |
リノール酸 | 悪玉コレステロールを減らす |
水溶性食物繊維
食物繊維がコレステロール対策によいと言われていますが、なかでもいいのが水溶性食物繊維です。海藻類やきのこ、さといもやオクラなどのぬるぬるした成分に多く含まれる水溶性食物繊維にはコレステロールを吸着してそのまま排出する働きがあります。
ナッツ類
ナッツ類はオレイン酸などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。オレイン酸は善玉コレステロールは減らさずに悪玉コレステロールを減らしてくれると言われています。
またなかでもくるみにはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸は青魚に豊富に含まれるEPA・DHAで知られていますね。くるみに多く含まれているのはα-リノレン酸で、含有量はナッツ類のなかでもトップクラスです。α-リノレン酸は体内に入ったあとに代謝されてEPA・DHAになります。
リコピン
トマトに含まれるリコピンには優れた抗酸化作用があります。
たまねぎ
血液サラサラの食材として一般的に知られているのがたまねぎです。たまねぎには以下のように血の巡りを良くするための有効な成分が豊富に含まれています。
硫化アリル | 血液凝固を遅らせ血栓ができにくくする働き、ビタミンB1の吸収をよくする働き |
ケルセチン | 抗酸化作用が高く、脂肪の吸収を抑えて体内の脂肪を排出する働き |
食生活においては以上のような食べ物を1つの食材ばかりにこだわって食べ続けるのではなく、バランスよく食べることが大切です。
また、血液がドロドロになる食材を多くとることはNGです。たとえば脂っこいものや生クリームたっぷりのケーキ、糖分たっぷりのお菓子やスナック菓子、インスタント食品やラーメンなど、糖質や脂質を多く含む食材です。
血流を良くする飲み物を飲む
血流を良くする飲み物としてやはり大切なのは「水」です。
血液の約90%は水でできています。厚生労働省でも中高年で多発する脳梗塞・心筋梗塞なども水分摂取量の不足が大きなリスク要因の一つとなっていますとしています。水分もしっかりと摂りましょう。
環境省熱中症環境保健マニュアルによれば、人間の1日の水分の出入りは1日2.5Lなのだそうです。水分の摂取量は多くの方で不足気味になっているため、平均的にはコップの水を後2杯飲めば1日に必要な水の量をおおむね確保できるといいます。
そのため
- こまめに水を飲む習慣を持つ
- 目覚めの一杯と寝る前の一杯を飲む
まずはここから始めてみましょう。
血流を良くするツボを刺激する
一般的に血流を良くすると言われるツボにはいろいろとありますが、代表的なものをあげてみます。
気海(きかい)
おへその下、指二本分ほどのところにあります。自律神経を整えて血流が良くなるツボと言われています。
陽池(ようち)
手の甲側、手首の真ん中あたりにあります。冷え症に効くツボとしてよく知られています。血行促進に有効と言われています。
合谷(ごうこく)
手の甲側、親指と人差し指とのラインが交わるあたりにあります。万能のツボと呼ばれ、上半身の血行を良くすると言われています。
血行を良くするマッサージを行う
全身のマッサージによって血行が改善されます。血流が悪くなりやすい、頭から首、肩にかけてや、ふくらはぎなどは効果的です。とくに足は、血液を送るポンプである心臓から離れていて血液がたまりやすくなっています。
そこで、足の血流を良くする方法として、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎをマッサージすることがあげられます。ふくらはぎをマッサージすることで、下半身の血流だけでなく全身の血行促進につながります。
ストレッチをする
血中のコレステロールや中性脂肪が基準値よりも高い方を「脂質異常症」といいますが、こうした方の血液の多くははドロドロ血と言えます。
厚生労働省では、脂質異常症を改善するための運動として、
「できれば毎日、少なくとも週3日以上、運動量は30分以上、強度は最大酸素摂取量の50%の有酸素運動が一般的に勧められています。」
としています。有酸素運動といいますと、ウォーキングやジョギング、水泳などといった運動になりますが、なかなか毎日運動は難しい…という方が多いのではないでしょうか。そうした方にはストレッチがおすすめです。ストレッチは筋肉を柔らかくして血行を促進するだけでなく、リラックス効果も得られます。
また、ウォーキングやジョギングなどの運動と合わせてストレッチを行うのも効果的です。
入浴をする
入浴することで血管が拡張して血行がよくなるだけでなく、リラックス効果も得られます。ぜひシャワーだけで終わらせずにお風呂につかりましょう。また、38~40度程度のぬるめのお湯での半身浴もオススメです。
血流を良くするサプリメントを飲む
食事や運動など生活習慣の改善だけではなかなか難しい…という場合には、栄養サポートとしてサプリメントの摂取もおすすめです。
実際、食生活のなかで足りていないとされる栄養素は非常に多くあります。サプリメントで足りない栄養素を補うことは、健康の維持・増進に役立ちます。
サプリメントを選ぶ際には、一般に血液をサラサラにするとされる栄養成分の入ったものを選ぶようにするといいでしょう。
血行を良くする薬を飲む
どうにも血行不良が改善されない…という場合、血行を良くする薬を飲むのは最終手段でしょう。
血行を良くする薬には、病院に行って診察を受けて処方してもらう薬のほか、漢方薬やドラッグストアなどで購入できる薬もあります。
ただし、自分で飲む場合には、他のサプリメントとの併用や副作用などに注意して飲む必要があります。薬では根本からの改善にはなりませんし、まずは規則正しい生活へと生活習慣の改善が大切です。