亜鉛で血管の老化防止!?亜鉛を多く含む食べ物ランキング
2018年1月23日放送の「たけしの家庭の医学 今年大注目の3つの老化ストップ法SP」で、血管の老化防止に欠かせない「最重要栄養素」として亜鉛が紹介されました。
亜鉛というと確かに体に必要な栄養素として知ってはいても、実際にどのようにからだにとって必要なのか?その働きを具体的に言える方は少ないですよね。
なぜ亜鉛がいいのでしょうか?亜鉛を含む食品にはどのようなものがあるのでしょうか?
Contents
動脈硬化とは
番組ではまずはじめに、うさぎの血管を使って健康な血管と硬くなった血管とで圧力にどれだけ血管が耐えられるかという実験映像が流れました。
健康な血管は柔らかくしなり、血液の圧力に耐えられます。この柔らかさが、血管の若さの象徴なのです。
しかし動脈硬化の血管は弾力がなくなり、圧力に耐えられず破裂し、大出血を起こしてしまいます。
硬くなった血管では一瞬の血圧の上昇で脳出血など命にかかわる病に直結することもあるといいます。
血管を若く保つ最重要栄養素・亜鉛
血管を若く保つ最重要栄養素がある、ということが日本人の研究で発見されました。世界に先駆けその事実を発見したのが東京慈恵医科大学病院の柳澤裕之先生です。
普段から栄養に気を配って食事をしている方であっても、その栄養素が不足していれば血管の老化は避けられないといいます。
その栄養素こそが、亜鉛です。
亜鉛というと、個人的には男性向けのサプリでよく配合されていることが多い印象があります。体に必要な栄養素ということはわかってはいるんですが、実際にどのような働きをしているかはけっこうみなさん知らないんですよね。
亜鉛は体全体に常にあるもので、動脈硬化を進めてしまう活性酸素を除去するのに役立ちますが、足りなくなると高血圧の状態になり、動脈硬化を進めてしまうのだそうです。
番組では、血管の状態と栄養素の量がどれほど関係をしているのか、
「野菜をしっかり摂取する」
「カロリーを調整して肥満を予防」
「高血圧の原因 塩分を気をつけている」
などなど、普段から栄養に気を配って食事をしている14人の方の協力のもと、指先の血管の血流から血管年齢を測れる機器をつかって血管年齢の測定をしました。すると、14人中6人の人が実年齢よりも老けている、という結果になりました。
そして、問題の栄養素、亜鉛の量を測定すると、なんとその6人のうち5人は基準値を下回っているという結果になったのです。
亜鉛を多く含む食べ物ランキング
亜鉛はどういった食材に含まれているのでしょうか。番組で紹介していたチーズ、かに、ナッツ、肉類、牡蠣では、以下のような含有量になっています。
順位 | 食べ物 | 含有量 |
1位 | 牡蠣 | 13.2mg |
2位 | 豚レバー | 6.9mg |
3位 | 牛肩ロース | 5.8mg |
4位 | カシューナッツ | 5.4mg |
5位 | アーモンド | 4.4mg |
6位 | たらばがに | 4.2mg |
7位 | 毛ガニ | 3.8mg |
8位 | プロセスチーズ | 3.2mg |
9位 | カマンベールチーズ | 2.8mg |
(いずれも100gあたり可食部)
厚生労働省が定める亜鉛の食事摂取基準(日本人の食事摂取基準 2015年版)は、
推定平均必要量 | 推奨量 | |
18歳~69歳男性 | 8mg/日 | 10mg/日 |
18歳~69歳女性 | 6mg/日 | 8mg/日 |
となっています。カニや牡蠣を毎日たべることはできませんが、牛肩ロースなどの肉類であれば、1日200mg程度食べれば十分摂取できる量というわけですね。
潜在的な亜鉛不足が増加…高齢者に多いのは何故?
亜鉛不足が高齢者に多いのは何故なのでしょうか。
亜鉛を含む食品をみてみますと、肉にも十分な量が含まれていることがわかります。しかし高齢になると
- 肉を避けて食べなくなる
- 老化に伴い消化吸収機能が悪くなる
こうした理由から高齢者の間で亜鉛が不足してしまうのだといいます。
亜鉛不足を簡単に炙り出せる方法とは?
番組では、街角で亜鉛不足を調査しました。検証方法は2種類の煮物を食べ比べて美味しいと思う方を選ぶというものでした。煮物はひとつは砂糖・塩・醤油をレシピ通りの分量使用したもの、もう一つはその2倍量をいれたものです。
これにより、亜鉛不足が引き起こすある異常が見つけられるといいます。
それは味覚です。
2倍の味付けの煮物を「しょっぱくてたくさんは食べれない」と若いスタッフが感じた一方、その味付けを美味しいと感じ、逆にレシピ通りの味付けの煮物を「味が薄くて病院食みたいだ」と感じた高齢者がいたのです。
亜鉛が不足すると味を感じる細胞、味蕾が減少、味覚の異常を引き起こします。そして、味覚に異常をきたすと濃い味が好きになり、塩分量が増加、高血圧を引き起こします。味覚の異常が血管の老化に繋がるというのです。
しかし、家で2種類の味付けの煮物を用意するのはちょっと難しい…というより材料の無駄づかいになってしまいますよね。家庭でも簡単にできるチェック法があります。
〈家庭でできるかんたんチェック法〉
コップ1杯の水に、耳かき3杯分の塩を入れます。片方はただの水を入れ、それぞれ飲み比べます。
しょっぱさを感じたら→クリア
普通の水と比べて差がわからなければ→味覚異常
亜鉛ちょい足し食材でどのくらい改善する?
では亜鉛が不足してしまったらもうそれらの症状は改善しないのでしょうか?実は、味覚が衰えている場合でも、しっかり亜鉛を取れば味蕾が増えて味覚も元に戻るのだそうです。つまり、亜鉛を十分に取れば高血圧が改善、亜鉛を積極的に摂ることで、血管の老化を改善するというのです。
ではどのくらいで改善するのでしょうか。
理想的な摂取量は10mgですが、日本人の多くは亜鉛摂取量が不足しています。番組では、ちょい足し食材をメニューに加えることで、1週間でどのくらい血管が改善されるかを検証しました。
ちょい足し食材➀…たまご
たまご1個でサイコロステーキ2個分の亜鉛摂取量になります。
ちょい足し食材➁…チーズ
亜鉛が豊富なチーズのなかでも、粉チーズに使われるパルメザンチーズはもっとも亜鉛が多く、おおさじ2杯程度でこちらもサイコロステーキ2個分に相当するそうです。
ちょい足し食材➂…ごま
ごまは実は亜鉛たっぷり食材です。100gあたりの含有量では牛肉を凌ぐといいます。
番組で検証を行ったところ、これらのちょい足し食材を1週間いつものメニューに加えることで、実年齢60歳の被験者の女性の血管年齢は71歳→49歳に!!なんと20歳以上も若返る結果となりました。
かんたんにちょい足しできる食材ばかりですし、これはすぐにでも実践できそうですよね。
まとめ
血管を若く保つ最重要栄養素として今回、亜鉛が紹介されました。
確かに、近年は野菜を多く摂ることや魚の栄養素に注目がいってしまって、肉類をなんとなく控えめにしている…なんていう方は少なくないのではないでしょうか?
亜鉛が含まれている食品は、例えば肉もそうですがたまごやチーズ(乳製品)など、どちらかというと動脈硬化によくない食材なのでは…?というイメージがありますよね。
確かにこうした食品(肉の場合には肉の脂身)は摂りすぎ注意とされ、どちらかというと食物繊維の多い食品や魚の摂取が推奨されています。
しかしあくまで摂りすぎは注意というだけで、そうした食材にも欠かせない栄養素が入っていることを忘れてはいけません。
やはり食事は栄養バランスよく摂ることが大切なんですね。