尿酸値が高くなる原因について
会社の健康診断で尿酸値が高いと結果を受けた方は少なくないと思います。数値が高いとい、痛風を引き起こす可能性が高いといえます。
昔は痛風といえば「贅沢病」と呼ばれていたこともありますが、特に贅沢をしたわけでもないのに、と検査結果にびっくりされた方もおられるかもしれません。
しかし中高年の男性において、数値が高い痛風予備軍の人は、3人から4人に一人の割合でいるといわれています。
なぜ数値が高くなってしまったのでしょうか。その原因や、普段の生活において数値を下げる具体的な方法をお伝えします。
Contents
尿酸値が高くなる原因
食生活
尿酸値が高くなってしまう原因として、一番考えられることは普段の食生活にあるといえます。 普段の食生活の中で、数値が高くなる原因となる食品を多く摂ってしまうことに注意しなければなりません。
尿酸は食品の中に含まれている「プリン体」によって作られます。 また私たちの体内においても作られます。体内にある約20%は食品から取り込んだもので、約80%は体内で作られたものです。
通常ですと、食品から取り込んだり体内で作られた量と、同じ量が排出されていきます。それで体内で一定量に安定しています。しかし、体内の数値が高くなることによって、排出量とのバランスが取れなくなってきます。それが数値が高くなる原因です。
プリン体をそれほど含んでいない食品であるとしても、食事量が多く、運動習慣がないような場合、多くのエネルギーを体内に取り込んでしまうことになり、結果、数値が高くなってしまいます。
尿酸が高くなってしまうと、排出量自体も減ってしまうことが分かっています。尿や便と一緒に排出されていきますが、尿がアルカリ性から酸性となり、排出されにくくなってしまうのです。
飲酒
そもそもお酒に含まれているアルコールには、数値を上げる作用があるといわれます。さらにビールには、多くのプリン体が含まれています。
最近販売されているビールを見てみると、「プリン体ゼロ」とラベルに書かれているものも増えているように思います。ビールには多くのプリン体が含まれているということを、広く認知されてきたといえるでしょう。
ゼロだからと安心して飲んでしまうと、アルコールの作用によって数値を高めてしまうことになりますから、飲み過ぎには十分注意する必要があります。
また同様にウイスキーや焼酎などはプリン体をほとんど含んでいませんが、アルコール度数が高く、数値を高める作用がさらに強いといえます。
アルコールはカロリーが高く、太りやすい飲み物です。 太ってしまうと体内にある数値が増え、尿をアルカリ性から酸性にしてしまうことがあり、排出を抑えてしまうことになります。
ストレス
仕事などにおいて強いストレスにさらされていると、それだけで数値を高めてしまうことになります。またストレス解消のために食事を食べ過ぎてしまったり、お酒を飲み過ぎてしまったりすることで、さらに輪をかけて数値を高めてしまうことになります。
運動不足となって、太りやすくなる可能性もあります。
ストレスは全ての病気のもとになるものですから、普段からストレスをためないように工夫した生活を送ることが必要です。
高い尿酸値が引き起こす病気とは
尿酸値が高くなりやすい人とは
尿酸値は、女性より男性の方が高くなる傾向があります。 そもそも基準値も女性より男性の方が高いのですが、数値が高く痛風となる割合を見ると、90%以上が男性です。
さらに男性の30歳から40歳代を見ると、約30%が数値が高い「高尿酸血症」であると言われます。働き盛りの男性の約3人に1人が高尿酸血症ですから、注意しなければなりません。
なぜ女性は数値が高くなりにくいかというと、女性ホルモンの中に尿酸を排出させる作用があるからです。 女性で数値が高い人については、女性ホルモンの分泌が低下しているといえます。
女性も50歳を超え、閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が低下しますので、数値が高くなり痛風になる人の割合が高くなってきます。
尿酸値が高いまま放置すると
実は数値が高いまま放置している人は少なくありません。というのも、数値が高い状態だけでは、何か自覚症状が発生するようなこともなく、普段と特に変わらない生活を送ることができる方も少なくないからです。
そのため毎年の会社の健康診断で、数値が高いと診断を受けていてもそのまま放置し続けてしまいがちです。
数値が高い状態のことを「高尿酸血症」と呼びますが、その状態を放置することで、ある日突然、激しい関節痛に見舞われることになります。これが「痛風」です。
痛風とは、字の通り「風に当たっても痛みが出る」ほど、激しい痛みに悩まされることになります。その痛みは我慢できるような痛みではなく、絶叫で叫んでしまうほどの痛みなのです。あまりの痛みに、救急車で運ばれる方も少なくありません。 特に痛風発作は、寝ている時に突然起きることが多くあります。
症状が起こる前の前兆としては、足の親指の付け根の関節が赤く腫れ上がるようなことがあります。血液中の数値が高くなり、血液の流れが悪くなることで関節部の血管に結晶が沈着してしまうことが原因です。
甘く見ているととても危険で、中には命に関わるような腎臓の障害に発展することもあります。
尿酸値は自然に下がる?
健康診断の度において尿酸値が高く「高尿酸血症」と診断された方については、病院での治療と並行して、食事は運動療法を取り入れていくことによって改善を図ります。
このような状態であれば、食事の改善や運動療法だけでは、自然に下がることは難しいといえます。
そもそも数値が高くなったのは、ある日突然高くなったのではなく、何年もの年月をかけて高くしてしまったのです。そのために、高尿酸血症と診断されてしまい改善するためには、さらに長い年月をかけて治療しなければなりません。
中には挫折するような人もいるくらいで、自覚症状がなく過ごせるようになると飲まなければならない薬もやめてしまう方もおられます。
しかし一時的に発作がないとして、いつ何時、発作が再発するかはわかりません。また突然夜中に発作に見舞われ、救急車で運ばれることになるかもしれません。
もしも数値が高いという診断があったとしたら、早めに医師に相談し、適切な治療を行うことが必要です。
尿酸値を下げる具体的な方法
プリン体を含んだ食べ物の制限
尿酸値が高い状態であれば、まずは数値を増やさないような食生活を心がける必要があります。特にプリン体を含んだ食べ物については、制限をすることになります。
もちろんプリン体を含んだ食べ物を絶対食べてはいけないというわけではありませんが、食べる量には気をつけなければなりません。
多く含んでいる食べ物には、魚の干物、レバーなどのホルモン料理、白子などで、お酒のあてになるようなものが多い印象です。お酒自身も数値を高める作用がありますから、十分注意してください。
肥満予防
プリン体をそれほど含んでいない食品だとしても、普段から食べ過ぎには十分気をつけてください。
特に肥満になってしまうと、 体内での生産量が多くなってしまい、尿がアルカリ性から酸性と変化してしまい、排出量も少なくなってしまいます。
つまり肥満になるだけで、体内の尿酸のバランスがとても悪くなってしまうのです。
肥満予防には、食事のバランスを考えることももちろん必要ですが、運動習慣を取り入れることはとても大事です。特に仕事でストレスを抱えている人であれば、ストレスも数値を高める原因となってしまいますから、運動習慣でストレスを解消するようにしましょう。
ただし運動習慣においても注意が必要で、激しい運動は数値を高めるといわれています。ウォーキングなど、息が乱れないような軽い運動を継続して行うことが大事です。心地いいと思う程度の運動を、継続して行えるようにしましょう。
水分の摂取
私たちの体の60%から70%は水分でできているといわれます。 その体内にある水分のうち、約2.5Lは毎日排出されていきます。つまり排出された水分量をしっかり摂っていかないことには、体内の水分量が足りなくなってきます。
体内にある水分量が足りなくなってくると、血液中の水分がどんどん失われていくことになります。血液中の水分が少なくなってしまうと、数値が高くなってしまいます。積極的に水分を摂るようにしなければなりません。
日常生活の中で、食事において約1リットルの水分を摂取しています。残りの1.5リットルを水分摂取しなければなりません。
皆さんは1日1.5リットルの水分を飲んでいるでしょうか。なかなか一気に飲むことは難しいと思いますので、食事中にお茶を飲んだり、お風呂上がりなど汗をかいた時に水分を補給したり、寝る前にコップ一杯の水を飲むようにするといいでしょう。このように分散して水分を摂ることで、体内の水分量が安定します。
まとめ
尿酸値が高くなる原因についてお伝えしました。
この数値は長い年月をかけて少しずつ高くなってきます。健康診断で発見された時には、今までの食生活や生活習慣を改めなければなりません。自覚症状がないからと言って、何もせずに放置してしまうと、ある日突然、痛風発作といわれる激痛に襲われてしまいます。
食べすぎやお酒の飲み過ぎには十分注意し、水分をしっかり摂って、生活するようにしましょう。